3歳牝馬が連日の大活躍！初勝利＆リステッド勝ち！《会報2023-13・特別号》

名手を背に鮮やかな逃げ切り勝ちを収めたエンプレスペイ！

昨年10月のデビュー以来、5走して4回が掲示板圏内と堅実な走りを見せてきたエンプレスペイ(牝3・栗東・武幸四郎厩舎)。裏を返せば、惜しいレースが続き関係者はもちろん同馬自身も悔しい思いをしてきたはず。今度こそ、の想いを胸に中山競馬場に登場した同馬は前走から増減なしの馬体重436kgでゲートインしました。
内枠から好ダッシュを決めたエンプレスペイはすんなりと先手を奪うものの、1頭にぴったりとマークされるような形となります。前半1000m通過時点ではその他の先行馬も含め馬群が密集しましたが、ペースが上がり始めると後続をやや離した2頭が馬体を併せつつ最終コーナーをカーブします。逃げ込みを図るエンプレスペイに対し、直後を追うライバル。手に汗握る直線の攻防となりましたが、最後まで脚の鈍らなかったエンプレスペイは2着に1馬身差をつけ1着でゴール、見事に勝ち上がりを決めました。
レース後、騎乗した武豊騎手は「先手を取れそうなメンバー構成でしたし、スタートが良ければ行かせようと思っていました。非常に乗りやすい馬で走りも軽かったですが、もう少し全体的に落ち着きが欲しいかなと感じました。このメンバーでは力が上だったと思います」と振り返っていました。また、武幸四郎調教師は「一つ勝たせることができて、とりあえずホッとしています。勝つ時は流れもいいもので競馬の流れも完璧でした。流れで勝ったと言うと、腕やと兄貴に言われるのでそこは内緒で(笑)」と話していました。
歯がゆいレースが続いていた中、ついに最高の結果を出すことができたエンプレスペイ。コンスタントにレースを使ってきたこともあり、この後の春シーズンは休養に充てる予定ですが、ひとつ勝ったことで、このあとの成長を楽しみに待つことができそうです。

いざオークスへ！グランベルナデットが堂々とリステッド勝ち！

前走クイーンカップは5着と健闘したものの、勝ち上がりを決めた2000m戦で際立ったパフォーマンスを見せたこともありオークス路線へ目標を定めたグランベルナデット(牝3・美浦・大竹正博厩舎)。勝てば3歳牝馬クラシックへの道が大きく開ける忘れな草賞で単勝4.3倍の2番人気に推された同馬は、期待と不安を胸にスタートの刻を待ちます。
互角のスタートを切った後、やや押し出されるような形になりかけましたが、大外枠から強くハナを主張する1頭に先頭を譲り、2番手のポジションに落ち着きます。前半1000mが60.5秒と平均的なペースとなる中、折り合って進むグランベルナデットの手応えは十分。先頭に並びかけるように最終コーナーをカーブすると、残り200mほどで先頭に躍り出ます。その後は後続に迫られることもなく、余裕すら感じさせる走りで2着に1馬身差をつけ1着でゴールしました。
レース後、騎乗した松山弘平騎手は「厩舎がゲートを矯正してくれて、しっかりとスタートを決めることができました。右に張る面は今日はなかったですし、直線で右から鞭を入れたら外に行こうとするくらいでした。強い競馬をしてくれたと思います」と振り返っていました。また、大竹調教師は「理想的な競馬をしてくれました。ゲートは毎日のように練習していましたし、今日も阪神競馬場で練習しました。このパターンの競馬をしたかったので、いい内容だったと思います。2桁のマイナス体重で心配されたかと思いますが、これまで少し余裕を持って作ってきましたので8kgくらいは減ると思っていました」と話していました。
思い描いたとおりの勝利で賞金を加算できました。この後は賞金順で出走枠に入れることが条件になりますが、2週間程度の放牧を挟み大目標であるGⅠ・オークスに向かうこととなります。忘れな草賞からオークスへ向かうローテーションは当クラブの名馬、ラヴズオンリーユーと重なります。偉大な先輩と同じ勲章を手にすることができるのか、期待は膨らむばかりですが、まずはとにかく無事にレースまで駒を進めてほしいところです。

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