ミスティックロアが惜敗続きに終止符を打つ3勝目！《会報2024-05号・特別号》

勝負根性見せステップアップ！今後はより大きな舞台を意識！

昨夏挑戦した重賞で初めて掲示板を外した後、4か月の休養を経て臨んだ自己条件では2戦連続で2着と悔しいレースが続いていたミスティックロア(牡4・栗東・矢作芳人厩舎)。敗戦の中にも実力の片鱗を見せており、周囲からは大きな期待が集まる一方で、精神面の危うさも見せる同馬は、当日はレース前から大量の発汗と高いテンションを見せていました。馬体重は前走から+4kgの522kg、単勝1.7倍の一番人気に推された同馬は3勝目を目指しゲートインしました。

全体的に落ち着いたスタートでしたが、外枠から好ダッシュを見せた数頭が先行集団を形成、ミスティックロアはその後ろの5番手に付け1コーナーをカーブします。その後、ペースを落とした逃げ馬がほぼ一団となった後続を引き連れて進み、前半1000m通過時のタイムは64秒6とスローな展開となりました。直後、最後方の1頭がアウトコースから猛然とマクり上がりミスティックロアの真後ろに付けましたが、同馬も譲らずに進出を開始。先行勢を視界に捉えつつ最後の直線を向きますが、この時インコースを利して先に抜け出した目下のライバルである2番人気の馬に一瞬、差をつけられました。近2走の惜敗が頭をよぎったその時、ミスティックロアは闘志に火が付いた様子で一段と加速して先頭に並びかけます。叩き合いに持ち込んだ後もしぶとく抵抗されましたが、これを噛み付かんばかりの迫力で追うミスティックロア。ギリギリの攻防となりましたが、勝負根性を見せつけたミスティックロアがゴール直前でアタマ差先着し勝利、自身3勝目を挙げました。

レース後、騎乗した坂井瑠星騎手は「先生からは大外をぶん回してこいと言われていました。勝つ以外は駄目なのはわかっていましたし、前回は自分のせいで負けたので勝ち切ってくれてホッとしました。矢作厩舎のDMM所属馬で勝てたのが初めてなので、それもうれしかったです。ありがとうございます。馬に関しては前回の状態がすごく良かったため、今回は出来落ちを感じました。その中で勝ち切ってくれたので、普通の状態なら次も問題なく好勝負できると思います。テンションと発汗がすごくて普通なら競馬にならないくらいの状態ですが、この馬の馬力で何とか勝ってくれました」と振り返っていました。

また、矢作調教師は「力が抜けているのは明らかだったので、騎手には外をぶん回してこいとだけ言いました。臨場していたスタッフからテンションと発汗がすごくて大変だったと聞きました。その分さすがにしまいは苦しくなりましたが、力でねじ伏せてくれました。ホッとしていますし、このクラスにいる馬ではないので結果を出せて良かったです。自分としては東京ダート2100mを使ってみたい気持ちがあるのですが、このテンションだといろいろと克服する必要があります」と話していました。

自己条件のレースに3度目の挑戦で勝利を掴み、見事にステップアップを果たしましたが、同師からは「まだまだ上を目指さなければいけない馬だと思っています」とのコメントもあり、ここは通過点と見ている様です。年末から間隔を詰めて使ってきたため、この後はリフレッシュ放牧に出る予定ですが、英気を養いつつ特に精神面の成長が期待されます。今後も大きな舞台を目指して走るミスティックロアに温かいご声援をお願いいたします。

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