圧倒的1番人気に応えてカミノレアルが2勝目をマーク《会報2025-31号・特別号》

直線で早々と抜け出して勝利を決める

ダート転向後2戦目で勝ち上がり、昇級戦の前走でも3着に食い込んだカミノレアル(牡3・栗東・今野貞一厩舎)。前走後は精神面を崩さないように間隔を空け、教育を施しながら3か月ぶりのレースに臨むことになりました。気性の難しさがネックながらもダートでの高い脚力は衆目の一致するところで、7頭立てで勢いに乗る相手も不在。初の古馬相手でしたが単勝1.7倍の圧倒的1番人気に推され、前走からプラス4kgの馬体重512kgでゲートに入りました。

大外の7番枠からスタートを切ったカミノレアルは、スムーズに中団の外をキープ。そのまま淡々と運びたいところでしたが、ペースが緩んだのを嫌って外からまくってくる馬が出てきました。少頭数にしては動きの激しい展開となりましたが、惑わされることなく自分のリズムを刻むと、4コーナー手前から外を回って進出を開始。力が違うとばかりに直線で一気に抜け出してセーフティーリードを取ると、追い込んできた2着馬の追撃を余裕を持って退けて2勝目のゴールに飛び込みました。

田口貫太騎手は「初めてDMMさんの馬で勝てました。いつもチャンスをいただいているので、勝ててホッとしています。今日に関しては手応えが良すぎて困りました。まくられた時に馬の後ろに入れようかなと思ったのですが、そうすると嫌気が差して走らなくなりそうな雰囲気でしたし、手応えが違いすぎたのでラチに頼るしかないと思って早めに行かせました。直線で抜け出してからは全く集中して走っておらず、ずっとフワフワしているような感じでした。本来ならこの手応えで抜け出せば楽勝なはずですが、余裕がありすぎるようです」とレースを振り返りました。

今野貞一調教師は「少しずつですが確実に良くなっている感じがしましたし、精神面の成長がうかがえました。能力が違いすぎて、抜け出してからが大変で遊んで走っていましたが、今回はラチを頼りながらではありましたが一応は前に進めて前進してくれました。これからの馬ですし、大事に使わせていただいたおかげで気持ちを折らずに成長できています。また少し放牧に出して、ゆとりを持たせたローテーションで進めていきます」と手応えを感じながら今後のイメージを描いていました。

このレースでJRA通算100勝を達成した田口騎手は「前に馬がいればどこまでも伸びてくれそうですし、背中の使い方や前進気勢の生み出し方は間違いなくオープン馬のもので、オープンまでは行けると思います。抜け出してからのやめ方が半端ではないのでちょっと怖いですが、また乗りたいです」と将来性を評価しました。

4分の3馬身の着差以上に余裕のあったレースぶりから、2勝クラスに昇級しても力は通用するはず。少しずつ階段を上っていくカミノレアルが、いつの日か本気で走る姿を見てみたいものです。

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