充実一途のカミノレアルが2勝クラスも悠々と突破！《会報2025-36号・特別号》

あっという間に抜け出して3馬身差の完勝

やや危ういレース運びながら前走で1勝クラスを突破したカミノレアル(牡3・栗東・今野貞一厩舎)。当初はレース間隔を少し空ける予定でしたが、疲れが全くないことからすぐに栗東トレセンに帰厩して、中3週で出走することになりました。体調はすこぶる良く、調教でも加減することなく負荷をかけられ、コンディションの良さが陣営からアナウンスされていました。馬体重はプラス4kgだった前走からさらに2kg増えて514kg。充実した馬体を誇示するかのように1番ゲートに入っていきました。

距離をロスすることのない最内枠は、出負けすると包まれて動きにくくなる枠でもあります。スタートを決めたいカミノレアルでしたが、3番枠の馬がゲート内で立ち上がり、それに反応するように潜るような仕草を見せてしまいます。多少の出遅れはやむなしと思える状況でしたが、いざゲートが開くと真っ先に飛び出したのは白帽の1番馬でした。外から先行馬を行かせて収まったのは絶好の5番手。1頭分ほど外に持ち出されて動ける態勢を作りつつ、前を見ながらじっくりと脚をためます。手応えは終始抜群で、4コーナーでスルスルと3番手に上がると直線に入って前2頭の間を割り、ラスト200mで早々と先頭に立ちました。マークしていた1番人気馬が追ってきましたが、差は詰まるどころかむしろ突き放す勢い。追いすがる相手を3馬身差で完封し、3着馬をさらに4馬身離す圧勝でした。

田口貫太騎手は「正直まだ余裕があります。あまりにも手応えが良すぎて仕掛けたらガツンと行ってしまったので、気持ちを抜かないか心配しましたが今日はしっかり走ってくれました。クラスが上がってこの馬のペースと力にようやく周りが追いついてきたような感じでしたし、次はもっと楽な気がします。ただ、今日は気負っている面が多少見られ、前走より危ない雰囲気がありました」と課題を挙げながらも能力を称賛しました。

今野貞一調教師も「今日は通過点と仁王立ちでレースを見る予定でしたが、ゲートで暴れる馬がいて影響がないか焦り、それどころではなくなりました。ゲートを出てくれて本当に良かったです。来年になればもっと良くなりますが、現時点でも確実に良くなっています。右回り、左回りはあまり関係なく、クラスが上がって競馬がしやすくなっているように見えます。今回は精神的にギリギリまで攻めたので、一旦リフレッシュさせてまた馬に合わせて使っていきます。次は仁王立ちでレースを見たいです」と難しさに触れながらも、素晴らしいパフォーマンスを評価しました。

初勝利に7戦を要しましたが、その後は3戦して2勝を挙げ、オープンが見えるところまで上がってきました。田口騎手は「大事に使っていることがこのパフォーマンスにつながっており、厩舎がうまく調整してくれていると感じます。まだまだ良くなる馬なので、かなうならずっと乗りたいです」と話し、今野調教師も「大事に使わせていただいたおかげで、馬がすごく良くなってきています」と同調しました。1か月で2勝の快進撃に気がはやってしまいますが、まだまだ難しい面は残っています。慎重に歩みを進めていくことが、この馬にとっては王道と言えそうです。

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